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地域の子は、地域で育てる。(その3) 「地域の教育力」を考える

わたしは常々、地域の力を組織的・体系的なエネルギーに仕立てたいとの想いを強く抱いております。
地域の力とは、例えば、近所の子どもに「おはよう」と声を掛けるなにげない場面の中にも、温かい隣人愛があり、大きな感化力をもたらしておりますし、「子 どもの家」の管理人が、子どもに履物の脱ぎ方や並べ方、自転車の置き方等を根気強く世話しておられるのも、立派な地域の教えであると思います。
このような、地域における目立たない、ひたむきな諭しや教えの姿を大変ありがたく思いながら、この貴重な一つ一つの行為のもたらすものを、なんとか大きな エネルギーにまとめることはできないものかと、思い悩むことがあります。
周囲に目を向けますと、三世代家族の多い地域では、家族や隣人の愛情により子どもたちは社会性と自立性が育まれ、正しく地域の子は地域の力でたくましく育 てられている現実があります。
また、ある地域では、全世帯参加の地域行事をしばしば開催し、スクラムを組んで地域の子どもをきめ細かく見守り、励まし、地域ぐるみで後継者を育てておら れます。
このような事例や営みをもとに考えますと、「地域の教育力」とは、地域の一人一人の好意や想いがもたらす諭しや教えの作用と、ローカルコミュニティが醸成 する、人づくりの大きな組織的・総合的なエネルギーを総称しているように思います。
私たちが求める「地域の教育力」は、地域の自然や歴史を土壌とする人間関係の中で育まれているものであり、それぞれ固有な伝統と住民のエネルギーに支えら れているのです。
このように「地域の教育力」がその実をつけるには、地域環境が醸成する育ての雰囲気と、地域における隣人愛の営みとの連携が何よりも大切なのであります。