第 6号 地域の子は、地域で育てる。(その2) 「地域の子とは」

地域の子は地域で育てるという文言のうち、今回は地域の子について改めて目を向けてみましょう。

 近所には、活力あふれるチビッ子が路地を飛び回り、私に元気を与えてくれます。

 また、雨の朝、黄色の雨ガッパの中から「おはよう」と声を出してくれる可愛げな子どもたちに、生きている喜びを感じます。「地域の子」という意識でこの子 達を見守っているわけではありませんが、この子達と心の絆を持ち続け、その輪を広げていきたいものだと、時に深くとらわれてしまうことがあります。

 さて、学校では一生懸命がんばる子どもでも、地域に帰ると治外法権の世界に浸っているような甘えの姿がよく見受けられます。

 例えば、夏休みのラジオ体操への参加には、生活のリズムを律しようとか、体調を整えるなどという意識はほとんど見られず参加カードのために目をこすりこす り出てきたという表情です。

 子ども会担当者が真剣に声を掛け合っても、学校で見られるような自立心や活力は全く影をひそめてしまいます。

 同じようなやり場のない、やるせない気持ちを味わっておられる方も多いのではないでしょうか。

 今一つ、学校週5日制となり、地域におけるウィークエンド活動がさかんに展開されております。

 私の町内には小学生が五十数名と多く、イベントを企画するのに恵まれております。

 ここで六月以降の子どもクラブへの参加状況を紹介させていただきますと、

 ・ 六月一日スタートのあさがおクラブには27名。

 ・ 六月十五日スタートのよさこいクラブには22名。

 ・ 六月二十二日スタートのプールクラブには20名。

 ・ 七月十五日スタートのすずむしクラブには24名。

 となっております。

 しかし、どのクラブにも参加せず、頑と呼びかけにも応じない子どもが三割近くおります。

 学校から帰るとパソコンの前から離れない子、友達と一緒したくとも立ち上がれない子、僕は僕、私は私の世界に閉じこもり自らを甘やかしている子ども。

 また、先程紹介いたしました子どもクラブの呼びかけに応えてくれない子どもたち。

 地域の子は地域で育てることの初発のステップは、このような子どもの置かれている立場や環境を、まず心温かく理解し合うことではないかと思います。

 そして、このようなこどもたちを、なんとしても心の広場に誘い、導き出すための根気強い、温かい支援が求められているのではないでしょうか。